明日の夢を昨日の夜に見る不思議な感覚。
夢の内でその明日の夢を、その夢の内でそのまた明日の夢を見ていた。
怖いような、ワクワクするような。
足元には何もなく宙ぶらりんで不安定。
何もできずに加速していく。
奔流の中、自分の生きた現実を力の入らない手で掴み取る。
小さい頃の記憶やらなんやらが溢れ出す。
どこまでいったのか?どこにいったのか?過去を回想したのか、未来を予知しているのか。
それとも過去を予知して未来を回想しているのか。
ビルの一階から最上階に落ちていく感覚。
でも、夢を見ているのはどっちだったんだろう。
どちらにしろ、たどり着く先はきっと今。
自分がそこにさえいれば、果てしなく遠い昨日、望郷の過去も今であり、限りなく続く明日、遥かなる未来もまた今となるという、そんな当たり前の狂った悪夢。

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